パンチングメタルとは?穴の種類・素材・用途を初心者にもわかりやすく解説

パンチングメタルとは?穴の種類・素材・用途を初心者にもわかりやすく解説

📗 初心者向け / 読了時間 約5分

金属の板に、丸い穴や四角い穴がきれいに並んでいるのを見たことはありませんか?

機械のカバーや換気設備、建築の外装・内装、店舗のパーテーション、スピーカーのグリルなど、パンチングメタルは私たちの身近なところで幅広く使われています。

この「穴あきの金属板」が、パンチングメタルです。

この記事では、パンチングメタルとは何か、どのような穴の種類や素材があるのか、どのような用途に使われているのかを、初めての方にもわかりやすく解説します。

パンチングメタルとは?

パンチングメタルとは、金属板にパンチとダイ(金型)を用いて穴を打ち抜き、さまざまな形状や大きさの穴を規則的に開けた金属製品です。「打抜(うちぬき)」や「打抜金網(うちぬきかなあみ)」などと呼ばれることもあります。

加工では、パンチ(上型)とダイ(下型)の間に金属板をはさみ、パンチを押し込んで穴を打ち抜きます。同じ穴を連続して打ち抜くことで、板に規則的な穴を並べていきます。

パンチングメタルは、①穴の形(丸穴・角穴・長丸など)、②穴の並べ方(60°千鳥・並列・45°千鳥など)、③素材(鉄・ステンレス・アルミなど)の3つを自由に組み合わせて作れます。この組み合わせ次第で、通気・通水・採光・軽量化・目隠し・防護・デザインなど、目的に合わせてさまざまな用途に対応できるのが、パンチングメタルの大きな特徴です。

パンチングメタルの特徴

パンチングメタルには、主に次のような特徴があります。

特徴内容
通気・通水性穴を通して空気や水などを通すことができます
採光性穴の大きさや開孔率によって光の通り方を調整できます
軽量化板に穴を設けることで、同じ外形の無孔板より重量を軽減できます
デザイン性穴の形状や配列を工夫することで、意匠性の高い製品を作れます
機能性防護・目隠し・換気・フィルターなど、用途に合わせた設計が可能です
二次加工が可能用途に応じて、曲げ・溶接・切断などの加工を組み合わせられます

ただし、穴を増やせば必ず軽くなり強度も維持できる、というわけではありません。板厚・材質・穴径・ピッチ・開孔率などを考慮して、必要な強度と開口性のバランスを決めることが重要です。

パンチングメタルの穴の種類

パンチングメタルは、穴の形状によって見た目や機能が大きく変わります。代表的な穴には、次のようなものがあります。

穴の種類特徴・用途
丸穴最も一般的な形状。換気・通気・防護・装飾など幅広く使用されます
角穴四角形の穴。すっきりとした印象で、デザイン性を重視する用途にも適しています
長丸丸みを帯びた長方形の穴。通気や意匠性を重視する用途などに使用されます
長角長方形の細長い穴。通風・通水やデザイン用途などに使用されます
異形穴標準的な丸・角・長丸・長角以外の特殊な形状
デザインパンチング穴の大きさや密度などを変化させ、写真・イラスト・ロゴなどを表現する加工

当社(斉藤株式会社)では、丸穴・角穴・長丸・長角・異形穴など、さまざまな形状のパンチング加工に対応しています。

パンチングメタルの主な穴の形状(丸穴・角穴・長丸・長角)
主な穴の形状(丸穴・角穴・長丸・長角)

穴の並べ方(配列)

同じ「丸穴」でも、穴の並べ方によって見た目や開孔率などが変わります。代表的な配列が、千鳥と並列です。

千鳥

穴を互い違いに配置する方法です。代表的なものとして、60°千鳥や45°千鳥などがあります。穴を効率よく配置しやすいため、パンチングメタルでよく使用される配列のひとつです。

並列

穴を縦・横方向にそろえて配置する方法です。規則的で直線的な印象になるため、デザイン性を重視する場合にも使用されます。

このほかにも、変則ピッチやデザインに合わせた特殊な配列などがあります。

パンチングメタルの穴の配列(60°千鳥・並列・45°千鳥)
穴の配列(60°千鳥・並列・45°千鳥)

パンチングメタルで覚えておきたい用語

パンチングメタルの見積もりや注文では、いくつかの専門用語が使われます。まずは以下の4つを覚えておくと、仕様を確認するときに役立ちます。

用語意味
穴径穴の大きさ。丸穴の場合、「φ5」なら直径5mmの穴という意味です
ピッチ隣り合う穴の中心から中心までの距離
穴と穴の間に残っている板の部分
開孔率板全体の面積に対して、穴が占める面積の割合

例えば「φ5×P8」と表記されている場合の意味は次のとおりです。

  • φ5=穴径5mm
  • P8=穴の中心から次の穴の中心まで8mm

開孔率は、通気性・採光性・重量・強度・目隠し効果などを検討する際の重要な要素です。ただし、必要な開孔率は用途によって異なるため、単純に「高ければ良い」というものではありません。

パンチングメタルの素材

パンチングメタルは、用途や使用環境に合わせてさまざまな材料を選ぶことができます。

比較的コストを抑えやすく、強度が必要な機械設備やカバー、建築関連など、幅広い用途に使用されます。必要に応じて塗装やメッキなどの表面処理を組み合わせることもあります。

ステンレス

SUS304などのステンレスは、耐食性に優れているため、屋外・水まわり・食品関連設備など、錆びにくさが求められる用途に適しています。

アルミ

アルミは、軽量で加工性に優れていることが特徴です。軽量化が求められる機械部品や設備、建築・内装、デザイン性を重視する製品などに使用されます。

銅・真鍮

銅や真鍮は、素材そのものの色や質感を活かした装飾用途などに使用されます。

金属以外の板材にも対応

「パンチングメタル」と呼ばれていますが、加工できるのは金属だけではありません。当社では、ポリカーボネートやアルミ樹脂複合板など、金属以外の板材のパンチング加工にも対応しています。金属では重すぎる、透光性がほしい、といった場合の選択肢としてご検討いただけます。

パンチングメタルはどんなところで使われている?

パンチングメタルは、機能性とデザイン性の両方を活かして、さまざまな分野で使用されています。

建築・内装

外装パネル、壁面パネル、天井材、パーテーション、ルーバー、手すり、フェンス、装飾パネルなど。穴を通して光や風を取り入れながら、目隠しやデザインとして利用することもできます。

機械・産業設備

機械カバー、安全カバー、防護カバー、換気カバー、フィルター、ふるい、乾燥用トレーなど。機械内部への異物の侵入を防ぎながら、通気性を確保したい場合などに使用されます。

音・空調・換気関連

スピーカーグリル、換気カバー、通風パネル、空調設備カバー、防音・吸音関連部材など。穴の大きさや開孔率を用途に合わせて選定することで、必要な通気性や意匠性を持たせることができます。

店舗・インテリア

店舗什器、パーテーション、間仕切り、看板、装飾パネル、ディスプレイなど。穴の配列や素材、表面処理を工夫することで、単なる機能部品ではなく、空間を演出するデザイン素材としても利用できます。

パンチングメタルとエキスパンドメタル・金網の違い

「穴が開いている金属」という点では、パンチングメタルはエキスパンドメタルや金網と似ています。しかし、それぞれ製造方法や特徴が異なります。

種類製造方法主な特徴
パンチングメタル金型で板材を打ち抜く穴の形状・大きさ・配列を設計しやすい
エキスパンドメタル板材に切れ目を入れ、引き伸ばす網目状の形状。切断による材料ロスが少ない
金網線材を織る・編む・溶接する細かな目から粗い目まで幅広く対応できる

どれが優れているということではなく、用途・必要な強度・開口性・コスト・デザインなどによって適した材料を選ぶことが重要です。詳しくはエキスパンドメタルとは?金網の種類の記事もあわせてご覧ください。「パンチングメタルと金網のどちらを使えばいいかわからない」という場合も、用途をお聞きしたうえで検討できます。

穴だけでデザインを表現する「デザインパンチング」

パンチングメタルには、単純に同じ穴を並べるだけではない使い方もあります。それがデザインパンチングです。