2025年10月8日 / 最終更新日時 : 2025年10月9日 saito-admin ブログ φ1.4 金型用ドリルの研磨 金型づくりの精度は、目に見えない「刃先のひと削り」に宿ります。パンチングメタルの穴を美しく、正確にあけるために欠かせないのが、ドリルの研磨です。パンチングメタルの金型づくりで使うドリルの研磨は、穴の精度と金型の寿命を左右する、とても重要な工程です。簡単に言えば「切れ味を整える仕事」ですが、実際は金属加工の職人技が凝縮された繊細な作業です。 こちらは研磨前のドリルです。長く使い込むうちに、先端の刃が摩耗し、切れ味が落ちています。刃先の角度がわずかに鈍るだけでも、金属を削る際に抵抗が増え、穴の形が乱れたり、バリが出たり、金型そのものに負担がかかってしまいます。この状態から、職人の手によって正しい角度と形状を丁寧に復元していくのがドリル研磨の工程です。わずか数ミリの刃先に、精密な技術と経験が注ぎ込まれます。 こちらがドリル研磨機です。摩耗したドリルの刃先を、正確な角度と形状に整えるための専用機械です。砥石の回転面にドリルを当て、角度・逃げ・すくいを微調整しながら、切れ味と精度を職人の感覚で仕上げていきます。一見シンプルな作業に見えますが、削る角度がほんの少し違うだけで、切削性能や穴の仕上がりが大きく変わります。そのため、研磨機の操作には長年の経験と確かな目が欠かせません。 研磨前:切れ味を失ったドリル こちらは研磨前のドリル先端を拡大した写真です。摩耗によって刃先が丸くなり、切削面には細かな傷や焼けが見られます。この状態では金属への食いつきが悪くなり、穴の精度や仕上がりに影響が出てしまいます。研磨によってこの刃先を再び鋭く整えることで、ドリル本来の切れ味と精度を取り戻し、金型加工を支える力を甦らせます。 研磨後:鋭く蘇ったドリル こちらは研磨後のドリル先端を拡大した写真です。磨き直された刃先は、角がはっきりと立ち、切削面が滑らかに整っています。摩耗や傷が消え、金属を確実に捉える“切れ味”がよみがえりました。わずか数ミリの刃先ですが、この仕上がりの違いが、パンチングメタルの穴の美しさと精度を大きく左右します。職人の経験と感覚が、目に見えない精度を支えています。 私たちの会社では、パンチングメタルの金型づくりに欠かせないドリルの研磨も、一つひとつ手作業で丁寧に行っています。研磨前の刃先は小さな摩耗や傷で本来の切れ味を失っていますが、職人の手で角度と切れ味を整えることで、穴の精度や金型の品質を守ります。目には見えないわずかな違いも、最終製品の仕上がりには大きく影響します。私たちは、こうした細やかな作業を積み重ねることで、常に信頼できる製品をお届けしています。小さな刃先に込められた技術とこだわりが、斉藤の品質の証です。 高い精度、確かな耐久性、そして美しい仕上がりが求められるパンチングメタルのことなら、ぜひ一度、当社の技術にご相談ください。